ウィルス

エイズという言葉は世間に深く浸透しているので知らないという人はすくないかと思いますが、これと並んでよく耳にするのがHIVという言葉です。

中にはエイズとHIVを混同している人もいますが、これら2つの言葉は全く違う意味を持ちます。

エイズとは正式名称を後天性免疫不全症候群、HIVは人免疫不全ウイルスといい、HIVはウイルスの名前、エイズはHIVウイルスが感染することによって発症する病気を指します。

つまりHIVウイルスとはエイズを発症する原因となるウイルスというわけです。

HIVウイルスは人に感染すると、生活環境の中にある細菌やウイルスから体を守るTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)免疫細胞に侵入して破壊活動を開始します。

これによって人は著しく免疫力が低下して、普段ではかからない病気にも簡単に感染して、様々な病気を発症するようになります。

この状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)といい、発症する23の疾患からエイズかどうか診断されます。

HIVウイルスはどうやって感染するの?

HIVウイルスは粘膜や血管に達するような皮膚の傷から感染します。

ですから感染経路としては「性的感染」と「血液感染」、「母子感染」の3つが挙げられます。

80年代にエイズが世界的に発症した際には未知の病気であったこともあり、全員が正しい知識を持ち合わせていなかったことから、空気感染するなどという誤解が実しやかに囁かれ、多くのエイズ患者が迫害されることとなりました。

しかし現在では、エイズに対して正しい認識をすることも多くなったことから、傷のない皮膚からは絶対に感染することはないという正しい知識を身につけている人も多くなっています。

HIVウイルスの種類とその違い

またHIVウイルスにはHIV1型とHIV2型があります。

HIV1型はチンパンジーに免疫不全を引き起こすウイルスだったものが人間に感染して生まれたもので、HIV2型は西アフリカに生息するスーティーマンガベイという尾長ザルに免疫不全を引き起こすウイルスが人間に感染して生まれたものとされています。

HIV1型とHIV2型の違いとしてはHIV2型の方が完全力が弱く、進行が遅いという特徴があります。

しかしHAART療法という治療法が確立しているHIV1型に対して、HIV2型には未だ明確な治療法が見つかっておらず、HIV検査においても検出することが困難なことから、HIV2型の感染拡大は今後の大きな懸念事項となっています。

日本でのHIV感染者のほとんどがHIV1型であり、HIV2型はほんの数例しか感染していませんが、全く例がないわけではないので決して安心できるものではないということなのです。

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